日本色彩学会誌
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日本色彩学会第50回全国大会[東京]ʼ19 発表論文集
照明光色が内装材の色の見えの自然さに与える影響
宮田 早絵奥田 紫乃
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2019 年 43 巻 3+ 号 p. 163-

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抄録

住宅や店舗などの室空間では,素材の異なる様々な自然素材の内装材が用いられ,使用される内装材の色彩や質感などの表面特性が室空間の印象に影響を与えている.また,照明光色の違いによって内装材の色の見えや質感が変化することが予測される.そこで本研究では自然素材の内装材を対象として,種々の照明条件下における内装材の色の見えの自然さ及び質感について評価させた.実験では,5種の木材,5種の石材,れんが,畳の12種の内装材を視対象とし,LED照明を用いて,相関色温度やduvの異なる20種の照明条件を設定して,内装材の色の見えの自然さ,光沢感,柔硬感,粗滑感,温冷感,及び好ましさを数値尺度で評価させた.その結果,チーク(木材)及びれんがでは4000Kでduv=-0.01のとき色の見えの自然さ評価が高く,3300Kでduv=+0.02のとき色の見えの自然さ評価が低かった.一方,大理石では6700Kでduv=-0.01のとき色の見えの自然さ評価が高く,3300Kでduv=+0.02のとき色の見えの自然さ評価が低かった.また,色の見えの自然さ評価と好ましさ評価との間には高い相関関係があることが明らかとなった.

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© 2019 一般社団法人 日本色彩学会
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