日本色彩学会誌
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日本色彩学会第51 回全国大会カラーポッド[京都]’20 発表論文集
色相選択とアクティビティの調査研究
昆野 照美柿山 浩一郎川端 康弘
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2020 年 44 巻 3+ 号 p. 104-

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抄録

本研究では,人間の色相選択には人間の無意識の心理が表出するのではないかという着眼点から,「直感的に選択する色相」と,「余暇活動のアクティビティの選択」には関係があるのではないかとの仮説を設定し,色相とアクティビティの関係を明らかにすることを目的とした.

具体的には,余暇活動に関する4つのアクティビティ(a,b,c,d)を設定し,aを「一人で活発な活動」,bを「一人で静かな活動」,cを「友達と静かな活動」,dを「友達と活発な活動」とした.次に,大学生190名を対象に「直感的に気になる色」と「やりたいアクティビティ」に関するアンケート調査を行った.

結果は,赤(v2)と回答した学生が,アクティビティaを選ぶ確率(19%)が高く,アクティビティbに関しては,色相の選択に偏りが少なかった.アクティビティcに関しては,34%が,v18(青)を選んでいる.アクティビティdに関しては,23%がv14(青緑)を選択しており,緑系(黄緑,緑,青緑)は全体の47%であった.「直感的な色相の選択」と「アクティビティ」の関係には一定の傾向があることが明らかになったため,さらに,χ 2乗検定を行った.P=0.027という結果が得られ,統計的に有意となった.

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© 2020 一般社団法人 日本色彩学会
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