日本色彩学会誌
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日本色彩学会第51 回全国大会カラーポッド[京都]’20 発表論文集
カラーチャートの色配置の違いが嗜好色判定に与える影響 ―3シーズンの調査結果からー
水越 綾
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2020 年 44 巻 3+ 号 p. 253-

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抄録

 嗜好色調査に使用するカラーチャートは,その簡易性や携帯性から固定紙法を用いる場合が多い.

 そして,その形式は先行研究をみると,同じような配置パターンが多く,横軸は色相順に,縦軸はトーン別に配置されている.色相の並びは,左から赤,橙,黄,黄緑,緑,青緑,青,青紫,紫,赤紫と配置される事が多い.トーンの配置に関しては,純色が一番上に配置されていたり,明度の高いペールトーンが一番上に配置されていたりと,バラバラではあるが,大抵明度順や彩度順に配置されていたりする.

 とはいえ,実際に固定法を用いた嗜好色調査を実施する上で,どれほどの影響があるのかを調査した先行研究は見られない.そこで筆者は,カラーチャートの色の配置が嗜好色決定に何かしらの影響があるのではないかと仮定し,2種のカラーチャートを用いて調査を実施した.

 その結果,2カラーチャート間で大きな差異は見られなかったものの,若干色相の嗜好に差が見られた為,それが一時的な結果なのかを見る為に3シーズン継続して調査した.

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© 2020 一般社団法人 日本色彩学会
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