日本色彩学会誌
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日本色彩学会第51 回全国大会カラーポッド[京都]’20 発表論文集
自動車ボディカラーにおけるエフェクトブラックの研究
小野 郁美藤枝 宗原田 修
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2020 年 44 巻 3+ 号 p. 60-

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抄録

一般的な工業製品における「黒」は重厚さや高性能を表現する場合に多く用いられる.自動車に於いても,高級感や洗練されたイメージを表現する目的で幅広い車種に展開されており,ホワイト,シルバーに次いで人気が高い.自動車ボディカラーの黒塗色は漆黒性が求められる一方で,自動車ボディ形状をより魅力的に見せるようなエフェクトブラックも好まれている.エフェクトブラックとはアルミフレークやパール顔料などの光輝材を用いた質感を有する塗色であるが,グレーとの領域が曖昧であり塗色開発時の課題であった.そこで,自動車ボディカラーにおけるエフェクトブラックの領域を数値として定義する検討を行った.具体的には,ブラックを意味するワードが塗色名に含まれた自動車ボディカラーを抽出し,カラーデザイナーによる官能評価を行った.その結果,「測色角度25度の明度≦19」「測色角度75度の明度≦8.5」がエフェクトブラックと言える領域であることがわかった.その研究結果を,既存光輝材・通常塗装工程の意匠関係を整理して自動車ボディカラーに相応しいエフェクトブラックの開発に活用している.本発表では,その研究内容について報告する.

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© 2020 一般社団法人 日本色彩学会
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