日本色彩学会誌
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日本色彩学会第51 回全国大会カラーポッド[京都]’20 発表論文集
高演色形蛍光灯とLED照明での色の見えの比較
眞鍋 幸菜原田 幸一東 吉彦
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2020 年 44 巻 3+ 号 p. 66-

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抄録

印刷物の色評価用として高演色型LED照明への移行が進みつつあるが,演色評価数が同じでも印刷物の色の見えが異なるため,蛍光灯との差の少ないLED照明が求められている.本研究では,高演色型蛍光灯と高演色のLED照明における印刷物などの色の見えを比較,評価した.蛍光灯にアイグラフィックス社のアイベルライン(Ra97)を,LED照明に京セラのCERAPHIC(Ra96)を用い,並置した2台の照明ブースそれぞれに設置した.LED照明は調光器を用いて,蛍光灯とほぼ同じ照度の約1100[lx]に合わせた.客観評価用に,印刷の色域をほぼカバーするISO12642カラーチャートの印刷物の分光反射率を測定し,蛍光灯とLEDの分光分布データを用いてXYZ三刺激値を計算,L*a*b*値を算出して両者の色差を求めた.746色の色票に対し,最大色差1.94,平均色差は0.53であった.また,Macbeth Color Checker(24色)を用いて両光源下での色の見えを目視比較した結果,LEDの方が蛍光灯よりやや青みに色相がずれて見えることがわかった.これは,LEDの紫側の発光分布の影響によるものと考えられる.

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© 2020 一般社団法人 日本色彩学会
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