2018 年 30 巻 p. 85-99
本稿では,環境配慮や社会貢献,ガバナンスに優れた企業に投資するESG投資が世界的に広がる中,①機関投資家と投資先企業との中・長期的な視点からのエンゲージメント(目的を持った対話)の重要性,②機関投資家は,いかなるESG要因をどう評価しているのかに関して解明する。日本では,ESG投資が揺籃期にあるが,株主としての機関投資家の行動は,投資先企業とのエンゲージメントを通じた企業価値の向上を後押しすることが中核となる。これに対応して,企業においては投資適格性を得るためのエンゲージメントやESG情報開示という行動につながっていく。機関投資家と投資先企業は,共にエンゲージメンを通じた中・長期的な企業価値の向上に取り組むことが求められている。