蒸切干加工用のサツマイモは、全国で約1,800haの作付けがあり、茨城県はその代表的な産地である。サツマイモ蒸切干の品質については、未解明な部分が多く、品質低下要因の解明およびその対策が重要である。特に、蒸切干加工時に、「中白」(「シロタ」)と呼ばれる障害が発生して製品品質を低下させる。その原因としては、澱粉の特性、糖分の影響等が考えられている。澱粉の糊化温度が低い品種「クイックスイート」が育成されたが、この品種は蒸煮中に速やかに澱粉が糊化・糖化するのが大きな特長である。そこで、これら低糊化温度系統を用いて蒸切干を作成し、製品品質について検討を行った。