抄録
ヒマワリは種子の子葉柔細胞中に貯蔵物質を蓄積する. 貯蔵物質中で最も多量に蓄積されるのは脂質で, 55-60%を占め, タンパク質は約20%, 糖質は約15%とされている. ヒマワリ油は食味がよく, リノール酸, トコフェロール, 植物ステロールなどを多量に含むことから, 近年関心の高まりがみられる. しかし, ヒマワリ種子における貯蔵物質の蓄積構造については, 脂肪種子の乾燥が困難なこともあってか, 走査電子顕微鏡レベルの情報が極めて少ない. 本報では, O-D-O法を適用して貯蔵物質の蓄積構造を明らかにした.