抄録
側面衝突において乗員の頭部を保護する補助拘束装置として、カーテンサイドエアバッグ(Curtain Side Airbag、以下CSA)がある。日本では平成30年6月からポール側面衝突基準が施行される予定であり、CSAはポール側面衝突試験の主な対策となっている。そのため、日本においてCSAを搭載する車両がこれから普及すると考えられる。CSAは後席まで展開するため、後席のチャイルドシート乗員にも影響すると考えられるが、この影響に関する調査は少ない。本調査では、後席にチャイルドシート及び子どもダミーを搭載したCSA装備車両を用いて側面衝突試験を実施し、CSAが後席チャイルドシート乗員に及ぼす影響について調査した。側面衝突試験は、普通乗用車セダン(以下セダン)及び軽乗用車を用いて、それぞれCSA有無の2条件で実施した。側面衝突試験は、後席に前向きチャイルドシート及び3歳児子どもダミー(Q3sダミー)を搭載した条件以外は側面衝突基準(UN Regulation No.95)に準じて実施した。どちらの車両を用いた試験でも、CSAはダミー頭部とチャイルドシートの側面の間で展開した。HPC15及び頭部3ms最大加速度はどちらもCSA有りの方が小さかった。前後軸回りの首上曲げモーメントはどちらもCSA有りの方が大きく、上下方向の首上引っ張り荷重についてはどちらもCSA有りの方が小さった。圧縮荷重については、セダンの場合のみCSA有りの方が大きかった。今回の調査から、CSAがチャイルドシートの子ども乗員の頭部保護にも有効であると考えられる。他方、頸部傷害値に関して、CSAの有無の条件により加害する可能性と保護する可能性の両方の結果が見られ、その影響についてさらなる調査が必要と考えられる。