抄録
路上横臥が人対車両事故のなかに占める割合は、死傷者で0.6%、死亡者数で8.3%であるので、路上横臥者による事故低減を目指すことは喫緊の課題と考える。路上横臥による事故は8月、週末の深夜に多く発生する。市街地で多く発生し、死傷者は男性が多く、通行目的は飲食がもっとも多い。路上横臥者ではひき逃げ事故になることが多く致死率が高い。路上横臥による事故で死亡・重傷・軽傷となる割合はそれぞれ1/3程度であり、死亡に寄与する独立した因子は、週末、夜間の事故、ひき逃げ事故、乗用車に比べて大型車による事故、最低車高が18cm未満の車両による事故、高速度の衝突、四肢に比較して頭頸部や体幹に損傷を負うこと、高齢である。また、重傷に寄与する独立した因子として、夜間の事故、高速度の衝突、最低車高が18cm未満の車両による事故、ひき逃げ事故、四肢に比較して頭頸部や体幹に損傷を負うことがあげられる。衝突速度を下げること、体幹部の損傷を避けること、ひき逃げを予防することは、路上横臥者における死亡および重傷事故予防に有用と考えられる。また、路上横臥事故は夏の深夜、週末の市街地で多く発生することから、見回りを徹底して路上横臥者を早期に発見する取り組みが必要である。さらに、事故を回避できる車載システムの実用化が今後望まれる。