2011 年 93 巻 p. 27-35
一橋大学附属図書館は所蔵資料を電子化し,インターネットを使って公開する事業に取り組んでいる。著作物が著作権の保護期間内であれば著作権者に対して複製や公衆送信に関する許諾を得る必要があるが,問合せ先の不明や問合せ先からの返答がないために利用が困難な場合もある。こうした課題に対して本学図書館は,文化庁長官の裁定制度を活用して,補償金を供託することで資料を公開し利用に供することになった。本稿はこの申請の準備から公開に至るまでの著作権処理に焦点を当てた報告である。