抄録
【目的】脳活性化リハ5原則に基づいた回想法実施充実度と効果の関係を検討した。【方法】対象は、A介護老人保健施設利用者のうち、Clinical Dementia Rating(CDR)で軽度認知障害から中等度認知症の11名(平均83.0±7.1歳、全員女性)。介入は、脳活性化リハ5原則に基づいたグループ回想法を、週1回、1回約1時間、全8回実施した。評価は、介入前後にCDR-Sum of Boxes(CDR-SB)、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(Hasegawa Dementia Scale-revised:HDS-R)、Frontal Assessment Battery at bedside(FAB)、N式老年者用精神状態尺度、Neuropsychiatric
Inventory、やる気スコアを実施した。毎回、回想法実施充実度を回想法観察評価尺度(Reminiscence
Observational Rating Scale:RORS)と部分インターバル記録法による発言数のカウント(発言率)で評価し、全8回の平均値を算出するとともに、終盤3回と序盤3回の平均値の差を変化値とした。【結果】CDR-SB、やる気スコアが介入前後で有意に改善し、RORSの下位項目の「情緒面」が序盤と比較して終盤で有意に向上した。また、RORSとHDS-Rの変化値に有意な正の相関を認めた。RORSの下位項目の「言語面」、「情緒面」の平均値は、やる気スコアの変化値と有意な負の相関を認めた。発言率の平均値は、RORSの平均値と有意な正の相関を認めたが、ほかの項目とは有意な相関を認めなかった。