2023 年 12 巻 3 号 p. 120-124
本研究の目的は,磁気共鳴画像法(Magnetic resonance imaging,以下MRI)のデジタル画像を用いて関節リウマチ(Rheumatoid arthritis,以下RA)のパンヌスと耳下腺リンパ節との関係を評価することである.対象は2006年8月から2022年4月に当院の放射線科にて,顎関節(Temporomandibular joint,以下TMJ)の痛みを主訴に来院し,MRIを行った37名のRA患者とした.評価方法は,TMJにおけるパンヌスの有無と耳下腺リンパ節の腫脹の有無について評価し,フィッシャーの正確確率検定により比較・検討を行った.結果として,TMJにおけるRAのパンヌスと耳下腺リンパ節の腫脹には有意に関連性があることがわかった.以上のことから,デジタル画像によりTMJにおけるRAのパンヌスと耳下腺リンパ節との関係性が示唆された.