日本歯科医学教育学会雑誌
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研究報告
新潟大学歯学部における統合型模型実習の取り組み
秋葉 奈美長澤 麻沙子小野 和宏前田 健康魚島 勝美
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2017 年 33 巻 2 号 p. 106-114

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抄録

抄録 本邦では, 社会の急速な高齢化に伴い, 高度な治療が求められる患者や全身的な疾患を有する患者が増加している. また, 患者の意識変化によって, より質の高い治療を求められることが多くなっている結果, 臨床実習に協力していただける患者が減少している. このような背景から, 学生は限られた患者を対象に臨床技能の習得をし, 卒業時には相応の知識と臨床能力を確保しなければならない. この問題を解決するための手段として, 新潟大学歯学部では1つの模型の中に様々な病態を具備した6種類のオリジナルの模型を開発し, 治療計画立案を含めた統合的な模型実習を導入している. 実習は臨床実習直前の5年前期に実施され, 基礎模型実習と臨床実習をつなぐと共に, 不足する臨床実習を補完する役割を果たす. 模型には歯石除去必要部位, 抜歯, 充塡, 歯内治療, 分割抜歯適応歯および歯冠修復, 不良補綴歯, 欠損補綴適応部位を含む. 学生は診断・治療計画立案から歯科処置までをファントムに装着した模型上で実際の臨床をシミュレートする形で行う. 現在, 本実習の評価はルーブリックを用いて行っているが, 評価方法に関しては今後も継続的に検討する必要がある. 実習後の学生アンケートからは実習が有意義なものであったとの回答を得ており, 知識や技術を使いこなす統合的な能力の育成に有効であることが示唆された.

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© 2017 日本歯科医学教育学会
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