2023 年 39 巻 1 号 p. 34-42
抄録 診療参加型臨床実習の重要性が提起されているが,小児歯科臨床の現場では,患児-保護者-歯科医師の関係性が複雑に構成されることもあり,卒前臨床実習生が自験症例を経験する機会を設けることが困難な場合がある.そこで,2020年度から小児歯科における臨床実習での教育内容の新たな取り組みとして,学生自身がブラッシング指導内容をまとめたリーフレットを作成し,それを用いて患児と保護者にブラッシング指導を行う課題を実施した.その後,その実習が学生に与えた影響についてアンケート調査を行った.
本研究により,卒前臨床実習生が主体的にブラッシング指導を学修し,得られた学修成果をリーフレットにまとめることでブラッシング指導についてより理解を深めることができ,患児や保護者の立場を考慮した指導の意識づけにも有効であることが推察された.また,診療参加型臨床実習の重要性を再確認するとともに,より充実した実習内容への改善が卒前臨床実習生の学修意欲やモチベーションの向上につながる可能性が示唆された.