2024 年 40 巻 1 号 p. 20-23
抄録 広島大学歯学部では,豊かな人間性を有し,国際的に活躍できる歯科医療人の育成を目的として,この10年あまりの間,教育の国際化に力を注いできた.とりわけ日英両言語授業法を歯学専門プログラムにおけるすべての授業科目で採用した2012年は,国際関連事業の拡大にとって重要なターニングポイントとなった.それを契機に,海外協定校からの学生受け入れが常時可能になり,教育現場の国際化が大いに促進された.実際,海外からの留学生を短期・長期に受け入れる各種のプログラムを毎年実施した.この取り組みは,国際的教育環境の充実に役立つだけではなく,歯学教育を通した国際貢献という点でも重要な意味をもつ.また,国際的環境のなかで日本人学生らの海外留学に対する意欲が年々高まり,海外で多様な経験を積みたいと考える学生が増加して,実際,毎年多くの学生を協定校へ派遣できるようになり,学生らの視野を広げる機会の提供につながった.本稿では,このような教育国際化の経緯,現状,展望について紹介する.