市町村が実施する歯科保健事業を推進していくにあたり,歯科保健事業の担い手となる歯科衛生士の市町村への配置が重要な課題となる。そこで,千葉県の市町村の歯科衛生士の配置状況の現状を把握し,今後の歯科衛生士の配置体制を構築することを目的として調査を実施した。政令指定都市である千葉市を除く79市町村を対象とし,歯科衛生士等の配置数,歯科衛生士が所属する歯科担当係の職員配置状況,歯科保健事業の状況などについて質問紙法による調査を郵送法にて実施し,全市町村について,集計・解析を行い,次に示す結果を得た。1.人口規模が10万人以上の市町村では,すべての市町村に歯科衛生士が配置されていた。2.歯科衛生士が配置されている市町村では,すでに保健婦,栄養士が配置されていた。3.歯科衛生士が所属する係には,保健婦,栄養士,事務職員が配置されている市町村が多かった。4.歯科衛生士が配置されている市町村では,歯科保健事業の数が多く,各ライフステージにわたり歯科保健事業を実施していた。
