口腔衛生学会雑誌
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原著
長崎県ならびに山形県における歯科疾患実態調査
川崎 浩二田口 円裕飯島 洋一高木 興氏
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1997 年 47 巻 2 号 p. 169-178

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抄録

長崎県ならびに山形県において平成5年から平成7年に歯科疾患実態調査および質問紙法による調査を実施した。平成5年度厚生省歯科疾患実態調査の結果と比較して長崎県,山形県では乳歯・永久歯齲蝕が多く,永久歯現在歯数は50歳以降で長崎県が山形県よりも有意に低かった。また同一県内でも離島(長崎)や山間部(山形)ではその他の地区よりも永久歯現在歯数が低い傾向が認められた。山形県における就学前乳幼児の昼間の養育者の約3割は祖父母であった。就学前乳幼児の齲蝕予防には歯磨きを行うと回答した親が86〜94%と多く,定期健診,フッ化物応用と答えた者は比較的少なかった。歯周治療の説明を歯科医から十分受けたと答えた者は26〜36%であり,インフォームドコンセントが不十分であった。今後の歯科医院とのかかわりについて,治療以外にも予防管理や歯科相談を希望する者が20〜38%いた。

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© 1997 一般社団法人 口腔衛生学会
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