抄録
歯科疾患と全身疾患の関連性を,歯科と医科の診療報酬明細書を用いて,総点数と実日数の点から検討した.岡山市某出版会社の従業員296名(男性87名,女性195名,20〜39歳)を対象とし,平成8年3月からの12ヵ月間の歯科および医科診療報酬明細書の総点数と実日数を集計した.歯科受診者は対象者の43%であったが,医科受診者は83%であった.歯科受診者の89%は慢性歯周炎と診断されていた.調査期間中に少なくとも1度は歯科を受診した者は,未受診者よりも医科総点数と実日数が有意に高かった(p<0.01).この結果より,歯科疾患と全身疾患の関連性が医療経済的に示された.職域に歯科疾患予防プログラムを導入することで,歯科疾患にかかる医療費を削減するとともに,医科の医療費と受診日数を減らすことができるかもしれない.