本研究は,小学生の児童を対象とし,唾液がカリエスフリーからのう蝕発生に関与するかどうかを明らかにするために行った.千葉県内の2つの公立小学校を対象とし,4年生でカリエスフリーであった100名(男児38名,女児62名)を6年生までの2年間追跡した.なお,1つの小学校での観察期間は2013年から2015年,もう一方では2014年から2016年である.唾液がう蝕発生に関与するかを明らかにするため,多重ロジスティック回帰分析を行った.観察期間中,30名(30%)の児童にう蝕が発生した.多重ロジスティック回帰分析の結果,唾液分泌量が少ない状態は有意にう蝕の発生と関与していた(オッズ比:0.38, 95% 信頼区間:0.16–0.90).したがって,カリエスフリーの児童であっても,唾液分泌量が減少している場合には,う蝕の発生に注意する必要があることが示唆された.