口腔衛生学会雑誌
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原著
3歳児におけるう蝕の発現と育児環境の関係
平山 祐佳子福田 英輝古堅 麗子齋藤 俊行
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2020 年 70 巻 2 号 p. 80-85

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抄録

 乳歯う蝕は依然として幼児期の最も一般的な慢性疾患であるが,その発生は,家族の生活様式と密接に関連している.われわれは,1歳6か月時の育児環境が3歳時のう蝕の発生とどのように関係しているかを調べるために,佐賀県小城市で歯の健康行動,子どもおよびその両親の習慣および育児環境に関する質問を含んだアンケート調査を行った.

 1歳6か月時にう蝕がなかった乳幼児の3 歳時の歯科健診の結果と,1歳6か月時のアンケート結果をもとに,虫歯に関する歯の健康行動を調整しロジスティック回帰分析を行った.

 ロジスティック回帰分析において1歳6か月時の配偶者の協力の程度が高いと,3歳時にう蝕のリスクが低くなることが判明した(オッズ比 [OR]=0.36, 95% 信頼区間[CI]=0.15–0.88).また,1歳6か月時にスナック菓子を頻繁に食べていない,あるいはフッ化物塗布の経験があると3歳時におけるう蝕の発生のリスクが低くなることが明らかになった(OR=0.34, 95%Cl=0.15–0.76; OR=0.41, 95%Cl=0.19–0.86).われわれの研究は,育児環境が歯の健康行動に加えて,3歳の乳歯う蝕の発生に影響を与えていることを示した.育児における配偶者の協力の必要性を促進および支援するための教育プログラムが,乳児の虫歯の予防につながる可能性が示唆された.

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© 2020 一般社団法人 口腔衛生学会
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