2020 年 70 巻 2 号 p. 86-93
本研究の目的は,「口腔ケアにおける看護師と精神科医師との連携尺度」を開発することである.看護師143名のデータを因子分析(主因子法,バリマックス法回転,累積寄与率56.3%)した結果より,15項目2因子から構成された「口腔ケアにおける看護師と精神科医師との連携尺度」を作成した.
作成した尺度は,Cronbach’s α係数が0.899で,内的整合性があると判断できた.因子ごとのCronbach’s α係数は,第1因子【口腔ケアに対する情報および意見交換】13項目でα=0.918,第2 因子【連携の希望】2項目でα=0.964 となり,内的整合性があると判断できた.また,作成した尺度の外的基準を検討し,看護師と歯科医師との口腔ケアの連携を自己評価する「病棟看護師の口腔ケアにおける歯科医師連携尺度」を設定した.外的基準尺度との相関関係(r=0.581,p<0.01)が認められ,基準関連妥当性が確認できた.
以上の結果から,作成した尺度の信頼性と妥当性は概ね確保され,実用可能な尺度であると考えられた.