口腔衛生学会雑誌
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原著
レセプト・特定健診情報を用いた就労者の医科,歯科の受診割合と医療費に関する疫学研究
上根 昌子河村 佳穂里加納 慶太松井 正格小柳 圭代土居 貴士片岡 宏介神 光一郎井上 直敏太田 謙司三宅 達郎
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2020 年 70 巻 2 号 p. 94-102

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抄録

 本研究は全国健康保険協会大阪支部の診療報酬明細書(レセプト)・特定健診情報を用いて,就労者の医科,歯科の受診割合と医療費について性,年齢,業態別に記述することを目的とした.

 対象は,35~74歳の被保険者本人のうち,平成27年度の1年間に医科レセプト,歯科レセプト,特定健診情報のいずれかを入手できる1,120,866 人(98.4%)とした.業態は18業態と退職後の任意継続被保険者に分類し1年間の医科,歯科医療機関への受診割合と年間合計決定点数の平均値,四分位数を算出し比較した.

 その結果,男女とも80%以上の被保険者が年間1 回以上医科医療機関を受診し,約50%の者が1回以上歯科医療機関を受診した.医科の年間合計決定点数は,男性のほうが高かった.歯科医療機関への受診割合は女性のほうが高かったが,男性の年間合計決定点数が高く,歯科受診日数も多かったことから,男性はより重症化してから歯科を受診している可能性が示唆された.医科の年間合計決定点数が高い業態は歯科も高い傾向にあり,業態ごとに特徴を分析し,歯科への定期受診を勧めるための環境整備と啓蒙活動が必要であることが示された.

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© 2020 一般社団法人 口腔衛生学会
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