2024 年 74 巻 3 号 p. 187-195
フッ化物洗口は,う蝕予防効果が高く,健康格差縮小に貢献できる.フッ化物洗口のう蝕予防効果に関する研究は多数存在するが,フッ化物洗口が保護者の歯科保健行動に及ぼす影響やフッ化物洗口の継続的な実施に関連する要因については,ほとんど検討されていない.
本研究では,フッ化物洗口を実施している小学生の保護者を対象に,中学校進学後の児童に対するフッ化物洗口の継続希望やフッ化物洗口による保護者の歯科保健行動の変化についてアンケート調査を実施した,対象者をフッ化物洗口の継続希望の有無で2群に分けて比較した結果,継続希望あり群では,フッ化物に対するう蝕予防効果を十分に理解している者が多かった.また,フッ化物洗口実施群における保護者の歯科保健行動の変化については,継続希望あり群において,う蝕予防の意識や児童の口腔内観察などの歯科保健行動に良好な変化を認めた者が多かった.さらに,フッ化物洗口の継続を目的変数としたロジスティック回帰分析では,全対象者においてフッ化物のう蝕予防効果についての理解に有意な関連を認め(オッズ比:2.07, p<0.01),フッ化物洗口実施群では,保護者のう蝕予防の意識変化との間に有意な関連が認められた(オッズ比:2.48, p<0.05).本研究結果から,保護者のフッ化物のう蝕予防効果についての理解やう蝕予防意識の高まりが,フッ化物洗口の継続に関連していることが示唆された.