2026 年 76 巻 1 号 p. 29-37
本研究では,母親の妊娠期の歯周状態と児の3歳時におけるう蝕罹患との関連について検討することを目的とした.
徳島県N市で平成25年度から平成27年度にかけて実施された無料妊婦歯科健康診査の受診者で,1歳6か月児および3歳児歯科健康診査を受診した母子259名を対象者とした.妊娠期,1歳6か月児および3歳児健康診査の歯科健康診査結果とアンケート調査結果を用いて,「3歳児う蝕:あり」との関連項目を分析した.さらに,「3歳児う蝕」の有無を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析を行った.
3歳児健康診査では27名(10.4%)にう蝕が認められ,12名に多数歯う蝕(4本以上)が認められた.また,妊娠期の「6mm以上の歯周ポケット」の有無と3歳児のう蝕罹患の有無(オッズ比=5.33,p<0.01,95%信頼区間:1.52–18.76)および多数歯う蝕(オッズ比=7.20,p<0.05,95%信頼区間:1.44–35.91)との間に関連性が認められた.
以上より,妊娠期に6mm以上の歯周ポケットを有する者の児は,3歳時におけるう蝕罹患のハイリスク者になる可能性が示された.