口腔衛生学会雑誌
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歯肉の自己観察判定を含む歯周疾患セルフチェックの有用性
小田島 あゆ子葭原 明弘皆川 久美子林 悠子
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2026 年 76 巻 1 号 p. 38-44

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抄録

 本研究の目的は大規模集団を対象とした歯肉の自己観察判定を含む歯周疾患セルフチェックの有用性を明らかにすることである.職場の歯科健診受診者3,702名を対象に,歯周疾患セルフチェック(歯肉出血,歯肉腫脹,喫煙習慣,歯間清掃用具の使用,歯磨き指導の経験,歯科定期健診)に関する質問紙調査および下顎前歯部唇側の歯肉の自己観察判定を行った.その後,歯科医師によるCPI測定を行った.20歳以上65歳以下の3,099名を分析対象とし,歯肉の自己観察判定によって歯周炎ありまたはなしの2群に分け,CPIによる歯周炎診断における歯周疾患セルフチェック項目の感度,特異度,陽性的中率および陰性的中率を算出した.その結果,歯肉の自己観察判定において歯周炎ありと判定した者は歯周炎なしと判定した者と比較して,歯肉出血および歯肉腫脹の口腔内症状に関する質問の感度が24.2~28.8%,陽性的中率が14.7~16.3%高かった.歯肉の自己観察判定とCPIの一致率は歯周炎では2.8%であった.したがって,歯肉の自己観察判定は歯周疾患セルフチェックの精度を向上させる可能性が示された.今後は歯肉の自己観察を含む歯周疾患セルフチェックの内容および活用方法を検討する必要性が示された.

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