口腔衛生学会雑誌
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原著
地域在住高齢者に対する口腔健康プログラムによる口腔機能および身体機能の改善
川村 淳菅野 範岡林 一登
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2026 年 76 巻 2 号 p. 86-93

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抄録

 地域在住高齢者において,口腔機能の低下はフレイル,要介護,死亡,認知症などのリスクファクターとなることが報告されている.また,高齢者の健康維持の重要な点として,外出機会があるかなどといった社会性についても重要であることが報告されている.

 そこで,本研究においてはさまざまな自治体で行うことができる口腔健康プログラムを目指し,地域在住高齢者に対して,計2回の介護予防教室と,3か月間1日3回のガム咀嚼トレーニングを含んだ口腔体操を行う口腔健康プログラムを提供し,その効果の検証を目的とした.本プログラムの前後において,歯の状態や咀嚼能力などの口腔機能,歩行速度などの身体機能,食事摂取状況アンケートなどの生活状態について測定し,評価した.

 その結果,34名の参加者のうち1日3回の口腔体操を66%以上行った人は32名であった.この32名についてプログラムの効果を検証すると,プログラム参加者の口腔機能が有意に改善した(咀嚼能力p=0.001,舌圧p=0.020,オーラルフレイル該当項目数p=0.047).また,身体機能,食品摂取状況についても有意に改善していることが確認された(握力p=0.005,歩行速度p=0.002,開眼片足立ちp=0.006,食品摂取の多様性スコアp=0.015).

 本研究の結果より,介護予防教室と口腔体操をセットとした口腔健康プログラムは,高齢者の口腔状態のみならず,身体機能および食品摂取状況の改善に効果があることが確認された.

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