2026 年 76 巻 3 号 p. 182-189
本研究の目的は,ベトナム在留邦人におけるオーラルフレイルの有病状況,および関連因子を検討することである.
ベトナム在留邦人にオンライン質問票調査を実施し,125名を分析対象とした.調査項目は,社会的背景,生活習慣,語学力,メンタルヘルス (心理的ストレス),栄養摂取,重度歯周病リスク,社会参加,身体活動であり,アウトカムであるオーラルフレイルはOral frailty 5-item Checklist (OF-5) で評価した.OF-5で,該当部が2項目以上ある場合を「オーラルフレイルあり」とした.
本集団のオーラルフレイル有病率は,22.4%であった.単変量解析から,不規則な睡眠 (p=0.003),語学力 (英会話)(p=0.049),重度歯周病リスク (p<0.001),心理的ストレス (p<0.001)とオーラルフレイルの間で有意な関連がみられた.ロジスティック回帰分析から,重度歯周病リスク (オッズ比=5.26; 95%信頼区間=1.61–17.21; p=0.006),心理的ストレス(オッズ比=5.04; 95%信頼区間=1.54–16.47; p=0.007)とオーラルフレイルとの関連を認めた.
本集団において,重度歯周病リスク,および心理的ストレスはオーラルフレイルの関連因子となる可能性が示唆された.