口腔衛生学会雑誌
Online ISSN : 2189-7379
Print ISSN : 0023-2831
ISSN-L : 0023-2831
齲蝕原性細菌の産生する菌体外多糖類のDextranase (Chaetomium gracile由来) による分解
服部 惇石橋 慶次郎湊 貞正
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 32 巻 5 号 p. 474-479

詳細
抄録

口腔由来のstreptococci (BHT, HHT, FA-1, Rc-10, Rc-14: 以上齲蝕原性; およびCHT, Rm-15, Rm-71の各株) をショ糖を含む培地で培養すると, 粘稠な菌体外多糖類を生産した。何れの多糖類もα-1, 6-グルコシド結合を有し, Chaetomium gracileのDextranaseによって分解されてその粘度が低下したが, α-1, 6-結合の量とDextranaseによる被分解性には厳密な相関性は見られなかった。
齲蝕原性株, および非齲蝕原性のCHT株を用いてステンレスワイヤ上に人工歯垢の形成を試みたところ, 菌体外多糖類の粘度の高い株ほど人工歯垢形成能も高かった。得られた人工歯垢にDextranaseを作用させると, 歯垢は分解されてステンレスワイヤ上から剥離したが, この現象はヒト由来のBHT, HHTおよびCHT株の歯垢において特に効果的に認められた。

著者関連情報
© 有限責任中間法人日本口腔衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top