口腔衛生学会雑誌
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Bacteroides gingivalisの培養上清中に存在するSH-依存性のコラーゲン溶解酵素の精製と血清成分による阻害
友辺 芳明遠藤 順子日野出 大輔前原 玲子永田 篤司嶋田 順子佐藤 誠中村 亮
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1987 年 37 巻 5 号 p. 630-636

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抄録

成人型の辺縁性歯周炎患者の歯周ポケットより高頻度に分離されるBactereides gingiualisの培養上清より, SH-依存性のコラーゲン溶解酵素を抽出し, 精製を試みた。本酵素タンパクは非常に凝集し易い性質のためイオン吸着クロマトグラフィーが困難であったが, 非イオン性の界面活性剤であるI-O-N-Octyl-β-D-glucopyranosideの添加により, 酵素活性に影響を与えることなく可溶化に成功した。酵素はアセトン分画, Sepharose CL-6Bによるゲル濾過, I-O-N-Octyl-β-D-glucopyranosideによる可溶化, DEAE-Sephacelカラムクロマトグラフィー等により, タンパク当りの比活性で115倍に部分精製した。部分精製酵素は至適pH7.6~8.0で, 等電点はpI4.4と5.5に存在し, SH-依存性は粗酵素と同様に非常に強いことがわかった。また, 種々の血清成分で強い活性阻害を受け, γ-グロブリンのみならずアルブミンによっても阻害を受けることが判明した。このことは歯周ポケット内で, 浸出液中の血清成分がB. gingivalisの病原性を減弱させるのに何らかの役割を果たしている可能性を示唆するものである。

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