抄録
2007年10月に世界保健機構より,「Model List of Essential Medicines for Children」(小児のためのエッセンシャルメディシンモデルリスト; 小児用モデルリスト)が公表された。これは,最も有効かつ安全で,経済性に優れた医薬品の薬効別リストであり,小児のコンプライアンスがよく,医療現場で使用しやすい製剤の規格例(薬用量および剤形)も併記されている。今回我々は,小児用モデルリスト上の医薬品(小児用モデルリスト医薬品)について,現状の国内医薬品と小児の効能・効果,用法・用量,剤形の有無等について比較調査を行った。小児用モデルリスト医薬品のうち国内で小児の用法・用量の記載があったものは約50%であった。また,未承認薬も34成分含まれており,そのうち28品目が駆虫,抗菌および抗原虫薬であった。剤形については,国内未承認の剤形があり,その多くが内用液剤であった。これらの中には,小児薬物療法検討会議のために各分科会で作成された「プライオリティリスト」に挙げられているクエン酸カフェイン,フルコナゾール,メトロニダゾールの内用液剤も含まれていた。今回の調査結果から,小児用モデルリストは本邦の実情に合わない点もあるが,小児薬物療法検討会議などにおける,臨床上の有用性や,剤形の必要性についての検討における優先順位決定などのための参考資料として有用であると考えられた。