抄録
わが国では,医薬品が新たに採用される際に,薬剤管理の効率性の視点から一品目を採用リストから削除するいわゆる“一増一減ルール”を採用している医療機関が少なくない。日本小児科学会薬事委員会は薬剤メーカーの協力を得て,日本小児科学会や日本未熟新生児学会および本学会より開発・早期承認の要望が出され2004年7月に発売となった医薬品の採用状況について調査した。この医薬品が納入されている284施設のうち,採用時の情報が確認できたのは144施設で,“一増一減ルール”があるのは129/144施設(89.6%)であった。このうち厳格に“一増一減ルール”が適応されたのは13/129施設(10.1%)で,8施設では発売企業の医薬品が削除対象となっていた。以上より,学会からの強い要望があって開発・発売された本医薬品の採用であっても,一部の施設では“一増一減ルール”が適応されていることが明らかとなった。このようなルールの適応はtherapeutic orphan問題の解決を進めていくうえで,障害の一つとなる可
能性があると考えられた。