抄録
【目的】罹患すると乳幼児から小児で重症度の高い結核性髄膜炎および粟粒結核に対するBCGワクチンの予防効果がどの程度なのか評価すること。【方法】1945年から2013年(出版年)までの論文を検索し,その報告データからオッズ比の算出および統合を行い有効性の度合いを確認した。【結果】各研究形式におけるワクチン接種ならびに非接種での発症例数から求めた統合オッズ比は症例対照研究:0.30[95%信頼区間(CI)0.26-0.34],コホート研究:0.36[95%CI0.24—0.55],全体:0.30[95%CI0.27-0.35]であった。【考察】症例対照研究ならびにコホート研究共,有効な統合オッズ比の値となったことから,BCGワクチンは結核性髄膜炎や粟粒結核のような重症結核に対し,相応の効果があるものと思われる。また本邦の場合,出生後5-8ヶ月の定期接種が推奨されているが,新生児期間(出生後約1ヶ月まで)に投与された時により効果的という報告や他の抗酸菌にも一定の効果があるという報告からもワクチン接種はより早期が望ましいと考えられる。【結論】接種を義務付けていない国もある中,BCGワクチンは少なくとも小児で重症化する結核性髄膜炎および粟粒結核を相応に予防する効果が認められた。