抄録
ω3系脂肪乳剤(OmegavenⓇ)は,長期の静脈栄養に依存した新生児に多く合併する静脈栄養合併胆汁うっ滞(parenteral nutrition associated cholesrasis:PNAC)や腸管不全関連肝機能障害(intestinal failure associated liver disease;IFALD)の治療に対し有効性が報告されている.当院でもIFALDをきたした患児に対し,ω6系脂肪乳剤(イントラリポスⓇ)からOmegavenⓇへの投与変更を行うこととなった.しかし,本薬剤は未承認医薬品であり,費用も高額で流通も不安定のため分注して使用せざるをえないが,脂肪乳剤のため細菌等による汚染のリスクが高い.そこで本研究ではOmegavenⓇ分注後の細菌学的検査を行った.滅菌済みシリンジにOmegavenⓇを分注し,これを検体とした.分注した検体を冷暗所4℃,14日間保存し,血液寒天培地を用いて経時的に培養した結果,細菌は検出されなかった.また,OmegavenⓇ を使用後,AST・ALT・T-Bil・D-Bilの改善が認められ,薬剤投与による副作用も起こらなかった.本症例のOmegavenⓇ投与に関して,分注後の細菌汚染はないと考えられ,患児の肝障害に対して有効性が認められた.