日本小児臨床薬理学会雑誌
Online ISSN : 2759-9256
Print ISSN : 1342-6753
神経性やせ症に対して薬学的介入を行い肝機能が改善した1例
小原 真美朝賀 純一長澤 佳昭佐藤 文彦吉岡 靖史八木 淳子工藤 賢三
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2022 年 35 巻 1 号 p. 43-50

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抄録
思春期の神経性やせ症(anorexia nervosa:AN)は,極度の栄養不足と脱水から,肝逸脱酵素の上昇,腎不全,便秘,脱毛など全身に多様な症状が出現する.また,低栄養状態の持続によって低身長・骨粗鬆症などの後遺症が懸念される.本症例におけるANの10代女児は,経腸栄養剤であるエンシュア・HⓇの経口摂取継続中にALT, ASTが上昇した.要因としてカルニチンおよびセレン不足の可能性が考えられたため,薬剤師がカルニチン製剤の補充,カルニチンおよびセレンを含有するイノラスⓇ配合経腸用液への変更を提案した.変更後,ALT,ASTは改善した.以上のことから栄養不良状態が長期化すると予想される場合の治療開始時にはカルニチンおよびセレンなどの微量元素を確認し,適正な経腸栄養剤を選択するべきである.また,児童精神科においても薬剤師が介入できる余地は多くあるため,薬剤師がチーム医療へ参加することは意義があると考える.
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© 2022 日本小児臨床薬理学会
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