環境化学
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バイオアッセイによる河川水の有害性評価
佐々木 裕子木瀬 晴美松井 道子芳住 登紀子若林 明子菊地 幹夫
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2000 年 10 巻 1 号 p. 45-55

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抄録

3年間にわたり東京都内の河川水について, Microtox試験, Ames試験, オオミジンコ遊泳阻害試験, 藻類増殖阻害試験による有害性評価を実施し, 原因物質の検索を試みた。その結果, 検討した河川水の60%にMicrotox試験, Ames試験またはオオミジンコ遊泳阻害試験いずれかによる有害性が認められた。また, 甲殻類への有害性が度々検出される地点が見いだされた。4種のうちMicrotox試験やAmes試験では, 河川水の有害性を総括的, 定量的に評価でき, 原因物質検索にも有用な情報が得られた。一方, オオミジンコ遊泳阻害試験, 藻類増殖阻害試験は有機リン農薬, 除草剤の基準適合性, 水圏生態系への安全評価を直ちに行うことができた。これらバイオアッセイの特徴を生かして使用することは, 環境中の有害化学物質の幅広い監視・検索に有用と考えられた。

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© 日本環境化学会
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