環境化学
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愛媛県の東予地域及び中予地域における紛じんの元素汚染とその挙動
越智 久尚藤田 慎二郎山内 正信國頭 恭田辺 信介
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2003 年 13 巻 1 号 p. 41-49

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抄録
大規模工場が立地する愛媛県東中予地域の5市で粉じん調査を実施した。分析した10元素の平均濃度は, Feが最も高く, 次いでZn, Pb, Mn, Niの順であったが, Cr, Cd, Vの濃度は試料の半分以上で定量限界値未満であった。また, 元素濃度に経年的な減少傾向 (P<0.01) がみられたのは, Feは西条市, Niは川之江市と西条市, Pbは西条市, Asは新居浜市, 東予市および松山市, Vは新居浜市, 西条市および松山市であった。特にHgの濃度変化は小さく, また経年的な増減傾向もみられないことから, その起源は自然界に由来していると考えられた。
粉じんと土壌の元素濃度の順位およびAl, Feに対する濃度比の比較から, 粉じん中PbとAsは, 土壌以外の工場等人為発生源に由来すると考えられた。
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