環境化学
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ガス状ホウ素化合物による大気汚染について
鳥山 成一安田 洋島田 和保水上 昭弘大西 勝典近藤 隆之神保 高之橋本 俊一西川 雅高吉永 淳田中 敦
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2003 年 13 巻 2 号 p. 409-416

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抄録

鉄鋼製造工場周辺における葉の周縁部の黄化・褐変等の被害について報告する。製造工程にホウ酸を使用する工場の排出ガスのホウ素濃度が高く, 影響を受けた葉のホウ素濃度 (最大550μg/g) も高いことから, 工場からのホウ素が植物被害の原因と考えられた。更に, 影響を受けた樹木の地理的分布状況と樹木で影響を受けた葉の位置等の関係から, 大気中のガス状ホウ素化合物 (その化学形態は不明であるが) の直接吸収が示唆された。
これらの結果から, 工場に対し技術的な指導を実施したところ, 工程が改善され, その結果, 排出ガス中のホウ素濃度が減少した。

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