底質試料中および水生生物試料中のPCDDs/DFsの分析測定法について基礎的検討を行った。河川底質にトルエン-ソックスレー抽出法と室温アルカリ分解-ヘキサン抽出法を適用して比較した結果, 両者は同等の抽出特性を持つと考えられた。しかし, 室温アルカリ分解-ヘキサン抽出法での強アルカリに対する高塩素化PCDDs/DFsの不安定性から, アルカリ分解処理はPCDDs/DFs分析測定上の留意点であると考えられた。さらに河川の底質およびそこに棲息するタニシ中のPCDDs/DFs濃度を比較したところ, 高塩素化物ほど底質中により多く分布し, 生物/底質比は8塩素化物 (比≒0.1) で4塩素化物 (比≒1) のおよそ1/10程度であった。