抄録
マッセルウォッチの主要な対象生物であるムラサキイガイの大きさ, 生息深度および季節による体内有機スズ化合物濃度の変動を調べた結果, 分析に供した殻長25mm~65mmのムラサキイガイでは, 生息深度および季節による体内有機スズ化合物濃度の変動は認められなかった。すなわち, 殻長25mm~65mmのムラサキイガイであれば, 季節に関わりなく, 潮間帯のいずれの生息深度からでも採集して, モニタリング生物として使用できることが明らかであった。本研究の結果は, モニタリング生物としてのムラサキイガイの有用性をさらに裏付けるものであった。