環境化学
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水田地域におけるダイオキシン類と除草剤の挙動と収支
小林 淳梶原 秀夫高橋 敬雄
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2004 年 14 巻 1 号 p. 109-120

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抄録
1980年代前半, 2000年代前半に秋田県米代川流域で水田土壌を採取し, ダイオキシン類と除草剤PCP, CNPを測定した。1980年代前半から現在にかけて, 除草剤濃度は大きく減少したが, ダイオキシン類濃度は大きな減少はなかった。濃度分布は比較的狭い地域において上流よりも下流で高い傾向があった。汚染起源は主成分分析からPCPとCNPと推察され, 焼却由来は小さいことが示唆された。物質収支解析によると, 除草剤は99%以上が消失していたが, ダイオキシン類のほとんどは水田に残留していた。水田地域の流域内におけるダイオキシン類の長期的挙動の解明が必要である。
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© 日本環境化学会
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