環境化学
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環境試料中のtert-ブチルフェノール類の分析
吉田 光方子藤森 一男中野 武奥村 為男
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2004 年 14 巻 1 号 p. 99-107

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抄録
本研究において, 環境中に存在する4種のtert-ブチルフェノール類の同時分析を行うための検討を進めた。
その結果, 水質, 底質, 生物試料においてGC/MSで測定する方法を確立した。水質試料は, ENVI-18カートリッジを用いた固相吸着法で, 底質試料はアセトンを用い, 生物試料はアセトニトリルで各々溶媒抽出により前処理を行った後, ヘキサンで溶出または転溶し, 脱水・濃縮後, クリーンアップを行った後, GC/MSで分析を行った。
本法での回収率は, 水質試料51~87%, 底質試料68~87%, 生物試料111~125%であった。また検出下限値は, 水質試料0.0067~0.011μg/l, 底質試料0.16~0.66μg/kg, 生物試料0.35~0.79μg/kgであった。
本法を環境試料に適用したところ, 夾雑物の妨害はなく測定可能であった。
なお, 本研究は平成12, 13年度の化学物質分析法開発調査として, 環境省の委託を受けて実施したものである。
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© 日本環境化学会
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