環境化学
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GC/MSによる環境試料中のネライストキシン及びチオシクラムの定量
松枝 隆彦高田 智中村 又善黒川 陽一久冨 啓次深町 和美
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1994 年 4 巻 1 号 p. 19-27

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抄録
河川水, 海水, 底質及び生物等の環境試料中のネライストキシン及びチオシクラムの分析法を開発した。水質試料を塩酸酸性下でジクロロメタン洗浄した後, アルカリ性でジクロロメタン抽出し, 脱水・濃縮後, GC/MSで定量した。底質試料はアルカリ性メタノール, 生物試料は酸性メタノールでそれぞれ抽出後, 水質試料と同様の前処理を行い, GC/MSで定量した。ネライストキシンの検出限界は水質試料については0.13μg/l, 底質及び生物試料については3.3μg/kgであった。チオシクラムの検出限界は水質試料については0.09μg/l, 底質及び生物試料については4.1-4.8μg/kgであった。河川水及び海水等の水質試料については両物質とも良好な回収率が得られたが, 底質及び生物においては回収率の低下が認められた。これは添加したネライストキシン又はチオシクラムの分解が起こるためであることが分かった。環境試料中におけるネライストキシン関連化合物の挙動についても検討した。
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© 日本環境化学会
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