抄録
51歳,女性。現病歴:7年前より近医で手湿疹の治療を受けていたが,3年前からは症状が増悪,近医歯科で金属アレルギーの検査を勧められた。現症:両手指腹に瘙痒を伴う境界明瞭な角化性淡紅色斑を認め,鱗屑を伴っていた。パッチテスト:歯科金属24種類を,15種類の液体基剤試薬(鳥居薬品製14種類,Brial社製1種類)はパッチテスター「トリイ」を,9種類の軟膏基剤試薬はFinn Chamberを用いて貼付。貼付2,3,7日後に15種類の液体試薬すべてに(+)。紅斑は試薬貼付部のみで,試薬間には認められなかった。Finn Chamber®を用いて歯科金属シリーズを再貼付したところすべて陰性。パッチテスター「トリイ」のみ,パッチテスター「トリイ」+精製水,白色ワセリンはいずれも陰性。パッチテスター「トリイ」+生理食塩水は上腕内側では陰性であったが,背部では刺激反応を認め,汗管の閉塞や汗によるpHの上昇などによる影響が考えられた。パッチテストにおける再現性の重要性を再認識させられた。