2016 年 10 巻 5 号 p. 523-529
全身性強皮症は, 皮膚をはじめとする全身の臓器に実にさまざまな症状をきたしうるが, それぞれの病態には線維化, 免疫異常, そして血管障害という3要素が複雑に関与している。
そのうち, 血管病変は本症のごく初期から出現し, 全病期にわたって患者の生活の質に大きく影響する。そのメカニズムの一部は明らかになりつつあるが, いまだ不明の部分が多い。
本稿では強皮症の血管病変について, 実際の症状とその原因, そして治療についての最近の知見を紹介する。