日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌
Online ISSN : 2189-7085
Print ISSN : 1882-0123
総論
Stevens-Johnson 症候群・中毒性表皮壊死症の治療
-治療指針 (2016年改訂版) のポイント-
狩野 葉子
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2017 年 11 巻 1 号 p. 25-31

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抄録

 Stevens-Johnson 症候群 (SJS) /中毒性表皮壊死症 (TEN) は致死的な状態に至ることもある重症薬疹である。このたび, 治療指針が改訂されたので, そのポイントを記載した。SJS/TENの治療の第一選択は, 従来と同様に発症早期からの全身性のステロイド投与で, ステロイド大量療法, ステロイドパルス療法が含まれる。近年, 免疫グロブリン大量静注 (IVIg) 療法の有効性が明らかになり, 新たな選択肢として位置づけられた。IVIgの投与については, ステロイドに併用することが推奨された。また, 改訂した治療指針では, 水疱, びらんなどのSJS/TENの皮膚病変への対処法や, 眼病変に対する治療法も追加された。治療指針に準じてSJS/TENの治療が適切に行われれば, 早期の回復が得られるとともに, 後遺症の発現回避に繋がると考えられる。

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© 2017 一般社団法人 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会
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