2020 年 32 巻 1 号 p. 79-82
複数の癌腫で免疫療法の重要性が証明されたが,肉腫では証明されていない.そこでわれわれは肉腫内の腫瘍浸潤リンパ球(TILs)を解析した.切除した肉腫組織の一部に酵素処理を行ってfresh tumor digest(FTD)を作成,残りでTILおよび腫瘍細胞を培養した.得られたTILsとFTDを共培養し,IFN-γ産生を解析した.結果,101例中74例(73%)でTILsの増殖が確認され,FTD作成可能の38例中29例(76%)でIFN-γの上昇を認めた.これらの症例では免疫治療が有効である可能性が示唆される.