日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅳ.成人骨折・脱臼
高齢者の上腕骨通顆骨折に対するロッキングプレート固定術後に骨癒合が得られなかった症例の検討
川崎 恵吉稲垣 克記富田 一誠池田 純久保 和俊村島 一平丸山 博史酒井 健新妻 学中村 正則
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2016 年 23 巻 2 号 p. 140-142

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抄録

 当科で高齢者の上腕骨通顆骨折に対して,内・外側にlocking plateを設置し,骨癒合が得られなかったのは12例中の3例で,年齢は74,76,91歳,性別は男性2例,女性1例,全例右側であった.受傷から手術までの期間は,6,7,45日で,全例にBicipito-lateral approachで骨折部を展開し,内・外側にlocking plateを設置したが,骨移植は行わなかった.インプラントは,Stryker社のVariAx plateが2例,Synthes社のLCP-DHPが1例であった.受傷後45日でLCP-DHPを設置した1例で,術後骨癒合が得られずに顆部壊死を来し,受傷後1週以内にVariAx plateを設置した2例は偽関節となった.内・外側にlocking plateを設置しても骨癒合が得られない上腕骨通顆骨折例もあり,手術には細心の注意が必要である.

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© 2016 日本肘関節学会
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