2016 年 23 巻 2 号 p. 154-157
65歳以上の成人上腕骨遠位端骨折に対しlocking plateによる骨接合術を行いその術後合併症につき検討した.対象は18例,平均年齢74歳で,AO type A2が11例,A3が1例,C1が5例,C2が1例だった.固定法は外側plate+内側CCS法(以下single plate法)がA2の7例,両側plate固定法(以下dual plate法)が11例だった.全例で骨癒合を獲得し,平均肘関節可動域はsingleplate法で屈曲127.8°,伸展-12.4°,dual plate法で屈曲122.1°,伸展-17.5°,JOA-JES scoreはsingleplate法で平均85.5点,dual plate法で平均80.4点だった.術後尺骨神経障害をdual plate法の2例に認め,1例で抜去術と神経剥離術を行った.内側にplateを設置する際は尺骨神経を注意深く剥離し前方移行を行いplateとの干渉をさけることが重要だが,広範囲な剥離操作や移動により,神経のdevascularizationや周囲組織との癒着,瘢痕形成が助長されることも懸念され,尺骨神経への侵襲を少なくする治療戦略の検討が必要であると考えられた.