2016 年 23 巻 2 号 p. 150-153
上腕骨遠位端前額面骨折の粉砕骨折症例では十分な固定を得るのに難渋する.これらの症例に対して観血的整復固定術にヒンジ付き創外固定器を併用した症例の治療について報告する.
対象は粉砕を伴う上腕骨遠位端前額面骨折に対して観血的整復固定術にヒンジ付き創外固定を併用した6例のうち半年以上経過を追うことのできた5例であり,全例女性,平均年齢59歳,平均経過観察期間15か月であった.創外固定器の装着期間は平均7週間,骨癒合は全例で得られた.経過中ピン刺入部の感染が1例,尺骨神経領域のしびれを2例,異所性骨化を2例に認めた.肘関節屈曲110°以下であった3症例に関節授動術を要した.最終診察時の平均可動域は肘伸展-18°屈曲127°前腕回外90°回内79°であった.
強固な固定を得ることが難しい上腕骨遠位端前額面骨折に対して,関節裂隙を保ち骨片の矯正損失を予防しながら可動域訓練を行うことが出来るヒンジ付き創外固定器は,治療ツールの選択肢の一つであり,今後さらに症例数を増やして本法の可能性を検討したい.